インタビュー
学生時代サッカーに打ち込みプロ選手に。その後接骨院の道を志し、10年以上のキャリアを積み上げ、現在地元である福島県にて自分のお店を出している院長山澤。今のキャリアにたどり着いた経緯やサービスにかける想い、今後どんなことを目指していくかを語ります。
ケガに苦しんだサッカー現役時代
24歳までサッカーをやっていましたが、ずっとケガに悩まされ続けてきました。
高校時代の最後の選手権では大怪我をして試合に出られませんでしたし、大学時代に高校時代のヘルニアの後遺症的な痛みのせいで、ほとんど休んでばかりでした。周りの人から「やる気がないんじゃないか?」と言われるほど、ケガのせいでサッカーをできないことが多かったんです。決してやる気はなかったわけでなく、むしろかなりある方だったと思います。だけど、周りの人は信じてくれなかったので辛い思いをたくさんしたんです。そこから、かつての自分のように悩む選手を助けられるトレーナーに自分がなりたいなと考えるようになりましたね。
ケガを治すというのは単純な話ではなく、根本的な解決をしないと一度ケガが治ってもまたすぐに元に戻ってしまうものなんです。重いものを持つ仕事をする人、デスクワークを長時間する人を考えてみてください。ひとたび腰を痛めると、慢性的に腰の調子が悪くなるイメージがありませんか? しかし、体幹の強化、体の軸の調整、ひねり、足首の角度なんかまで細かく見ることで、そういった腰の痛みの根本の改善につながるんですよね。
「ケガの根本の問題を解決し、ケガを減らしていく」 ということができるトレーナーに自分がなれたらいいなと考えて、今の仕事につながっています。
「福島でサッカーなんて・・・」とは言わせない
大学を出てからプロ選手でサッカーをやっていたんですが、ずっと指導者・トレーナーの道が頭の中から離れない生活をしていましたね。
ただ、サッカーを辞めた時にすぐに道が定まったわけではなく、迷っていた時期がありました。
大学時代に就職活動をしてこなかったんですが、「今の自分はサラリーマンとして通用するのかな?」という思いがあって、サッカーを辞めてからいろんな大手企業を受けていた時期があったんです。
実際に東京の大手企業にも受かりました。親にも「そっちに行った方がいいよ」と言われたような企業さんですね。だけど、トレーナーの道から離れてしまう上に、地元の福島県から離れてしまうことがすごくさびしく感じたんです。
高校から大学に進学したとき、初めて地元の福島を出ました。大学のサッカー部で
「福島から来ました山澤です。郡山商業出身です。」
と自己紹介した時に、3つ上の先輩から
「福島県?そんなところでサッカーできるの?」
とバカにされたんです。すごく衝撃的でしたね。その時に、自分の中にある地元愛に気づかされたといいますか、福島県の印象を変えてやりたいという想いが芽生えたといいますか。
福島県のサッカーをイメージを変えてやるという想いが、大学で悪口を言われて以来自分の中にずっと残っていたんでしょうね。
自分のやりたいことをやるなら地元に根ざした活動だと考えて、結局東京への就職をせずに地元の専門学校に進んで勉強を始めました。
サッカー以上に熱中できた、身体の本質を知ること
ずっとサッカーをやってきた人生だったから、専門学校の勉強が続くかどうか最初は不安がありました。
でも、今までずっと悩んできた身体のことについて勉強するのが、自分が思っていた以上に面白かったんです。全然苦にならなかったですね。
この筋肉が動くからこういう風な体の動きができる〜とか、生理学の勉強で身体の状態を覚えることで病気のメカニズムを覚えたり〜とか。サッカーをやっていた時には、自分の身体についてここまで考えてこなかったんですよ。
そうやって身体の本質を知っていくことが何より楽しくなっていきました。本質を知ると、不調につながる身体の状態や動きの変化に気づけるようになっていきました。それもめちゃくちゃ細かく。
患者さんの顔色、歩き方姿勢、全てにおいて本当にちょっとした日々の変化に大きなヒントが隠れていることに気づいていったんです。
今でも仕事で一番大切にしていることですね。スタッフにも口うるさく言っています。
自分の技術がたくさんの人の笑顔につながっている
専門学校を出て、6年間別の職場でお世話になり、今地元で開業してから5年目になります。
自分が教え伝えたいと思っていた学生の方はもちろんなのですが、中高年の方も高齢者の方も、同じくらいの割合でお客さんになっていただくようになりました。
きっかけはサッカーのケガに苦しんだ経験でしたが、その経験を糧にこれまで自分が培ってきた技術はたくさんの人の生活を変えられるものになりましたね。
姿勢とか歩き方とかを見てもただ痛みが消えただけじゃなく、バランスがちゃんと取れているか、今までと違う姿勢で生活ができているか、そういう根本的な部分を少しずつ変えられているなと実感できた時はやっぱり嬉しいです。
患者さんから笑顔で「ありがとう」って言われた時、とてもやりがいを感じます。
細かいことにこだわりぬく
これからの目標は大きく分けると2つありますかね。
一つはスタッフの育成。
元々自分の経験を教え伝えることは好きでしたから、接骨院のスタッフを育成には力を入れていきたいです。 技術職はこだわりが肝心というか、何か芯がないとできないものだと思うので、うちのスタッフにはとにかく細かいところまでこだわりを持って取り組んで欲しいですね。
あともう一つは、よりたくさんの人のケガの悩みを解決するための取り組み。
正直に言うと、私一人の力では治せないケガ、難治性といって治りにくいようなケガがあるんですよね。そういう人たちを治したいという想いはもちろん大切にしていきたいです。
ただ、ケガをすることは悪いだけのことじゃないと思うんです。
ケガをすることでしか気づけないことって多々あるんですよね。実際私自身がそうでしたから。
ケガに悩む患者さんの立場に立ち、細かいところまでこだわって一緒に考え抜く。そういう気持ちが今一番強いかもしれませんね。
とにかく、「細かいことまでこだわる」をこれからも大切に邁進していきたいと思っています。